第192回研究朝食会

●日時 2018年10月25日(木)午前7:45~9:30
●会場 ホテルオークラ東京 別館2階 (メイプルルーム)
●テーマ 「社会保障制度の未来像」

●スピーカー
前厚生労働省 医政局 局長 武田俊彦

●コメンテーター
新時代戦略研究所 理事長 梅田一郎

 厚生労働省は9月21日に、2017年度に医療機関に支払われた医療費の速報値である概算医療費を発表した。前年度より9500億円増え、42兆2千億円となり過去最高を記録した。国民1人あたりの医療費も、8千円増の33万3千円で最高となった。いずれも2年ぶりに増加に転じた。

 医療費増加の主な要因は、75歳以上の後期高齢者の医療費が伸びたこと。75歳以上の医療費は前年度から6800億円増の16兆円で、全体の増加分の7割超を占めた。3年前と比較すると1兆5千億円増えており、国民1人あたりで比較しても75歳未満の22万1千円に対して75歳以上は94万2千円と4倍以上となる。高齢化や医療の高度化を要因として増加傾向は今後も続くと見られる。また16年度の国民医療費も公表された。これは保険診療の対象となる医療推計で、健康診断や予防接種などの費用は含まない。15年度から2263億円減り、42兆1381億円で、国民1人あたりでも1300円減の33万2千円だった。高額医薬品の価格引き下げなどで10年ぶりの減少となった。

 持続可能な社会保障制度を実現するために、負担の見直しや伸びの抑制が急務となっている。政府が検討を進めているのは、年齢ではなく所得に応じた負担である。3割負担となっている高齢者の収入要件を下げ、対象範囲を広げる考えである。また医療の現場では、医師が診察などの業務に専念するための分業やICT導入を推進して効率化を図る。医療費の伸びを抑制するため、高額医薬品の価格見直しを機動的にできる仕組みを導入したが、新薬開発の意欲をそぐという懸念もあり、医療費の抑制とイノベーションとの両立に向けた制度導入への模索が続いている。

 9月のINES研究朝食会では、この夏まで厚生労働省において医療政策の責任者として医療制度の中心で活躍してきた前医政局長の武田俊彦氏をお招きして、薬価、流通、診療報酬等の医療制度の変更についてお話しいただき、社会保障制度の未来像について今後の方向性を議論する。

一般社団法人 新時代戦略研究所(INES)代表取締役 朝井 淳太
(Tel 03-6225-0016 / Fax 03-6225-0174)
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