全世代型社会保障制度の実現に向けた提言
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背景 我々の⾃⼰決定の⼤前提となる情報公開が進んだ市⺠社会を作り上げていくためには、国⺠⼀⼈ひとりのリテラシーの向上が不可⽋である。例えば、リスクの度合いに応じた⾃助・共助・公助の組合せや社会全体の受益と負担の構造をきちんと理解し、⾃らの⾏動が社会全体に影響を及ぼす可能性を想像できることが必要である。また、健康であることは本⼈にとってはもちろんのこと、社会全体の負担を⼩さくすることを理解した上で⾏動できる市⺠でなければならない。そのためにも、健康の維持、病気の予防、また、社会に協⼒していくことの必要性を深く理解することが求められる。 さらに、医療や介護などの公的保険で賄われるサービスに対して、受益者が負担するよりもはるかに多くが公的保険で⽀払われている現状において、皆保険制度の持続可能性を確保するためには、負担能⼒に応じた応分負担が不可⽋である点を、広く国⺠が理解できるような仕組みを早急に整備すべきである。医療費が増⼤し続ける中で、それ相応の負担を負っていくことについて市⺠社会は及び腰となっているが、こうした状況が今後も続けば、市⺠社会を⽀える国⺠皆保険制度を維持することは不可能となり、将来世代にとって取り返しのつかない選択となることについても、個々⼈が理解する必要がある。我々⼀⼈ひとりが現在直⾯している課題を理解することが不可⽋なのである。提⾔提⾔7 全世代を対象にヘルスリテラシーと⾦融リテラシーの向上、⽇本の公的保険制度の理解を⽬的とした各種取組みを拡⼤する これらを実現するため、初等教育、中等教育、⽣涯教育の各場⾯において、ヘルスリテラシーと⾦融リテラシーを向上させるための具体的な取組みを展開すべきである。これによりすべての市⺠が、病気やケガによって⾃らにかかるリスクの⼤きさ、平常時に公的医療保険を通じて⾃らが負担しているコストと病気やケガをしたときに社会から⽀援されるコストのバランス、またこれが年代や負担能⼒によってどのように変化していくのかを理解ことができるであろう。さらには、諸外国の制度を踏まえ、⽇本の制度のメリットや課題などについても、深く学ぶ機会を増やすことも不可⽋であろう。 個⼈および市⺠社会のヘルスリテラシー・⾦融リテラシーの向上ACTION 3 |ページ | 11ACTION 3健康の維持、病気の予防、また、社会に協⼒していくことの必要性を深く理解することが求められる

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