プレスリリース

海外の新薬が日本で使えない「ドラッグ・ロス」の現状を恋愛ドラマ化
啓発動画『待ちびと』を公開

日時:2024年7月9日日

社会保障を中心とした様々な分野での政策立案や提言を行う、一般社団法人 新時代戦略研究所 (INES:Institute for New Era Strategy、代表:朝井淳太)は、7月7日(日)に、ドラッグ・ロスをテーマにした啓発動画『待ちびと』を、公式YouTubeチャンネルで公開しました。

我が国で、国際的に標準的とされる医薬品による治療が受けられない、最新の新薬による治療が他国より遅くなる「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス」の問題が、深刻化しています。2023年3月時点において、欧米では承認されているが国内では開発未着手の医薬品が86品目(未承認薬のうち60.1%)あり、製薬企業に開発する予定がないため、日本の患者さんが利用できないというドラッグラグ・ロスが発生していると指摘されています。*1

この問題の解決に向けて、政府もさまざまな取り組みや検討を行なっておりますが、当研究所ではこの問題に対して、一般の生活者の理解を深めることも必要と考えております。
2023年に行われた生活者を対象とした意識調査では、「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス」という用語についての認知率(「知っている」「見聞きしたことはある」と回答した人)は17.6%と低く、8割以上の人が、「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス」という言葉を聞いたことすらないという結果でした。一方、その後の設問で、用語の説明を読んで、問題意識を持った人(「身近な問題として意識している」「知らなかったが重要な問題だと思う」と回答した人)は57.5%という結果でした。*2

このことから、当研究所では、国民一人ひとりが、海外の新薬が日本で使えない「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス」について自分ごと化することも重要と考え、本動画を制作しました。
本動画は、希少がん患者の主人公(佐々木 俊人)がマッチングアプリで出会った女性(木下 実里)に恋をし、再会するためにがん克服に向けて前向きに生きる姿を描いた恋愛ストーリーです。俊人と実里が、織姫と彦星のように、再会できることを願って、七夕の日に公開いたしました。 この動画を通して、将来の自分や家族、大切な人が深刻な病気になった時のことについて考える機会を提供し、意識変容につながってほしいと考えています。

タイトル:『待ちびと』

URL:https://youtu.be/oS7SP-GsrIU

監督・脚本・編集たか ひろや

  • 出演大塚 ヒロタ
    西野 実見
    持永 雄恵
  • 監修一般社団法人 日本希少がん患者会ネットワーク
    NPO法人GISTERS

*1:厚生労働省 「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方 に関する検討会について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001206963.pdf
*2:日本製薬工業協会 「第17回くすりと製薬産業に関する生活者意識調査」の調査結果報告書
https://www.jpma.or.jp/news_room/issue/survey/index.html

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